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スタッフ教育

クリニックスタッフ教育

新人教育する上で先輩スタッフが控えたい言葉とは?

新人スタッフが入社してからしばらくすると、院長先生と既存スタッフとの間で、

院長先生:「●●さん(新人スタッフ)に○○(何らかの業務)を頼んだら全然出来てないけど、ちゃんと教えてないの?」

先輩スタッフ:「いやー、前にも言ったんですけどね」

よくこのようなやり取りが交わされます。

私自身も8年間の会社経営の中で、何人ものスタッフを教えてきた者として、これは自戒の念を込めて書くのですが、上記の院長先生とスタッフとの新人スタッフに対しての教育について、私の考えは

「ちゃんと新人スタッフに伝わったのなら、その通りにやる。やってないとしたら、しっかり伝わってないから」

です。つまり先輩スタッフの「言ったんですけどね」は、新人スタッフに全然伝わってないということです。

もちろん中には「なんでこんな単純なことを何度も間違えるんだ!」と腹が立ってくる新人スタッフがいるのも承知の上ですが、問題や課題は他者に焦点を当てても改善しません。

「この新人スタッフにどんな教え方をしたら、より伝わるのだろうか?」

「もっと新人スタッフに伝わる方法があるのではないのか?」

「もし自分が新人スタッフだったら、この教え方で同じように出来るか?」

などの自問自答によって、指導者としてレベルアップするものです。新人教育は大変ですが、新人が一人前になることで、先輩スタッフも次なるステージへステップアップ出来ます。

生々しい話ですが、前述した「なんでこんなこと何度も言わせるんだ!」という新人スタッフについては、教えている側の教育方法がしっかりしているなら、後は本人の仕事への意欲や「そもそも向いているのか」などが原因ですから、社労士にご相談するレベルかも知れません。

教育って、正解が無いですから本当に奥深いですよね・・・。弊社メンバーに対する教育を含め、私も常に試行錯誤です。

「やる気」ではなく「仕組み」で改善する

医経統合実践会では、新人教育の一環として、試用期間中の新人に毎日業務日誌を書いて貰う事をお勧めしています。

業務日誌を始めたクリニックから、たまに「新人に”今日の分の日誌は?”と聞くと”忘れました”って言って、持ってこないんですよ」というお悩みを聞く事があります。

この時、院長先生や先輩スタッフは「明日にはちゃんと持って来てね」「しっかり毎日提出しないとダメですよ」と言う事が多いです。

しかしこの「ちゃんと」とか「しっかり」と言うのが曲者です。それこそ、その指示が新人に”しっかり”伝わっていない事があります。

そのような形よりも有効なのは「試用期間中の日誌提出量が60枚以上になったら、常勤になるためのテストを受けられる」などの仕組みを作ることです。

これは「日誌を毎日出さない」というのは、イコール「常勤になれない」という事です。

このような仕組みにする事で、日誌提出に対する意識が上がり、毎日出すようになります。換言すれば、このような仕組みにしても尚、提出しないという事は、その新人はクリニックに合わない可能性がありますので、試用期間終了と同時に、きちんと労働基準法に則って、辞めて頂くというのが良いと思います。

これは「良い」「悪い」ではなく、その人材がそのクリニックには合わなかったという事であり、違うクリニックでは成長するかも知れないのです。

合わない者同士が無理に仕事を続ける事は、お互いに不幸になります。
だからこそ、試用期間というのは非常に重要な期間という事ですね。

身だしなみを統一させる方法

身だしなみは非常に主観的になりやすいものです。

例えば「髪の毛の色は暗めにしましょう」という基準であった場合、全てのスタッフが同じ「暗い色」の認識を持っている事はあり得ません。

スタッフAさんにとってはそこまで明るくなくても、院長が見たら「その色はちょっと明るいんじゃない?」などいう事が往々にしてあるのです。

スタッフ教育をしていく上で不可欠なのは「再現性の実現」です。

クリニックは女性職場なので、結婚、妊娠、出産、育児、夫の転勤、家族の介護などの理由で、休んだり、辞めたりするのが前提の組織です。従って「スタッフが入れ替わっても、同じ質の提供を実現する」という意識を持ち続ける事が必要です。

それは身だしなみでも例外ではなく、しっかりと具体的な基準を設定する事が大切です。

レベルスケール.JPG
これは日本ヘアカラー協会が販売している「レベルスケール」です。このような物を使い「当院スタッフの髪の毛の色は、スケールにおける”6”まで認める」などと明確に基準を設定するのです。

入社オリエンテーションで新人に伝えること

新人スタッフ教育について重要な事は「大切なメッセージほど、入社すぐに伝える」という事です。新たなメッセージは時間の経過と共に、伝わりづらくなっていきます。

例えば、クリニックの身だしなみについて、入社間もない新人スタッフに「当院はピアスやネックレスなどのアクセサリーを付けたままの勤務はダメですよ」と伝えた際、新人は「このクリニックはそういうものなのか」と思い、素直に受け入れると思います。

これが今までそういう事を言ってこなかった、入社4年目のスタッフに伝えたらどうなるでしょうか?確実に「何でそんな事を今頃言うんだ」「今更そんな事言われても・・・」と反発する可能性がかなり高いと思います。

そのような理由から、新人スタッフに「当院で働くにあたって大切なこと」という入社オリエンテーションを、入社してからそこまで日にちが経っていないうちに実施する事をお勧めします。この入社オリエンテーションでは、

・医院理念
・当院の身だしなみ基準
・「メモを取る」「先輩よりも早く現場に来る」など、新人に対して求められる姿勢
・試用期間終了までの給与について
・試用期間中のカリキュラム
・試用期間中に実施するテスト

などについて伝えると良いかと思います。

試用期間中に必須のアイテムとは?

試用期間を3ヶ月~半年間設定しているクリニックが多いと思いますが、試用期間中は新人スタッフに「業務日誌」を書いて貰う事をオススメします。業務日誌は

・今日学んだこと
・先輩への質問
・明日からどんな事を意識して仕事に取り組むか

などの質問に対して、新人が記載する形式を採用しているクライアントが多いです。

そして新人スタッフから提出された業務日誌について、先輩スタッフ(どうしても適任者がいなければ、院長という事になります)がコメントを書いて、新人スタッフに返すという流れです。

業務日誌の存在によって「このスタッフ、こんな事も分かっていないのか!「このスタッフは一体何が出来て、何が出来ないのか分からない」という事がだいぶ防げます。

教育に欠かせない2つのツール

スタッフ教育に欠かせないツール、それは「業務マニュアル」と「教育カリキュラム」です。

業務マニュアルはその業務や流れ、ポイントが書かれているもの、教育カリキュラムは業務内容が羅列されており「指導日」「評価」などを記載していくものです。

クリニックは院長以外は皆、女性スタッフであり、それはつまり、将来的に人材が入れ替わる可能性があるという事でもあります。

どんなスタッフが働いても、一定の質を提供するためにはマニュアルとカリキュラムが不可欠なのです。

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