0

診療のスピードを上げる

診療のスピードアップ

インカムの導入について

医科クリニックと歯科クリニックの大きな違いなひとつは、医科は完全な予約制ではないという点です(診療科目や診療方針によって、医科でも完全予約制を導入しているクリニックもありますが)。

一日の流れが読めない分、スタッフに求められる力は「スピード」と「先読み行動」です。

その他、ツールとして有効なもののひとつに、インカムがあります。

私のクライアントでもインカムを導入しているクリニックはあります。
導入率は私のクライアント全体の60%程度です。

インカムを導入する際の注意点は、

1.まずデモ機を借りて、テストしてみる
インカムは大体1機1万円はします。
いきなりスタッフの人数分を導入してしまうのは、リスクが高いですので、業者に「まずデモで導入したい」という旨を伝え、数日間テストする事をお勧めします。

2.テストは、各部門長が行う
おそらく業者はスタッフの人数分のデモ機を貸してくれる訳ではないと思います。
貸し出し機数が限られている場合には、受付チーフ、看護師チーフ、臨床検査技師チーフなど、各部門のチーフや、最もキャリアの長いスタッフに装着してもらうと良いです。

3.インカムに対して、前向きな気持ちを院内に浸透させる
インカムに限らず、そもそも「100%良い面しか無い取組み」など、存在しません。インカムについて言えば
「耳が痛くなりやすい」
「患者さんと話をしている時に、声が聞こえてくると集中出来ない」
「ハッキリ言ってくれないと、何を言ってるか分からない事がある」

などのマイナス意見が出る事が予想され、それらの意見もあながち間違いでないだけに、マイナスの意見を重視していると「そもそもインカムが必要なのか?」という根本的な議論に発展してしまい、物事が進まないという事が十分考えられます。

ミーティングなどで、院長(またはチーフ)から「こういう点がマイナス面として、考えられるけど、逆にこういう面でプラスがあると判断しましたので、インカムを導入します」という形に持っていく事が大切かと思います。

「喉元過ぎれば・・・」ではありませんが、導入前はマイナスな意見を持っていたスタッフも、実際に使ってみると、その便利が理解出来るという事が往々にしてあります。

増患するための根本的な質問

増患は一朝一夕で実現しません。
ノウハウやツールを導入したからと言って、すぐに結果が出る訳ではありません。
何故ならば、ノウハウやツールを生かすのは「人」だからです。

増患するにあたって、根本的な質問があります。
それは「もしあなたが患者だったら、うちのクリニックで診察を受けたいと思いますか?」というものです。

今は周囲に競合がおらず、そこまでクリニック経営の努力が必要ないクリニックならともかく、ある程度、競合クリニックもあり、これから努力していかなければ、患者が減少していく可能性のあるクリニックであれば、上記の質問をぜひスタッフにしてみて下さい。

ちなみに「診察を受けたい・・・」という部分を「白内障手術を受けたい・・・」「インプラント手術を受けたい・・・」「ボトックスを受けたい・・・」でも構いません。

また「あなたの大切な人(家族、恋人)に、うちのクリニックで診察を受けて欲しいと思いますか」という質問も有効です。

これまで1000人を超えるスタッフと面談をしてきて、
「私が患者だったら、先生の診察は受けたくありません」
「私の家族には、うちのクリニックで〇〇の手術は受けさせません」
という言葉を、悲しい事ですが、何度か耳にした事があります。

このようなクリニックにおいて増患や手術の件数が増える事はかなり困難です。
そこで働くスタッフが、クリニックの良さを認識していないのですから無理もありません。

院長にとっては辛い場面だと思いますが、もしスタッフからこのような言葉が聞かれたり、態度を見受けた場合には、そこに問題の本質がある訳ですから、
「じゃあ、あなたにとって、どのようなクリニックになれば、あなた自身が診察を受けたいと思う?」と聞いてみて下さい。

余程信頼関係が崩壊していなければ、素直に話をしてくれると思います。

入社オリエンテーションで新人に伝えること

新人スタッフ教育について重要な事は「大切なメッセージほど、入社すぐに伝える」という事です。新たなメッセージは時間の経過と共に、伝わりづらくなっていきます。

例えば、クリニックの身だしなみについて、入社間もない新人スタッフに「当院はピアスやネックレスなどのアクセサリーを付けたままの勤務はダメですよ」と伝えた際、新人は「このクリニックはそういうものなのか」と思い、素直に受け入れると思います。

これが今までそういう事を言ってこなかった、入社4年目のスタッフに伝えたらどうなるでしょうか?確実に「何でそんな事を今頃言うんだ」「今更そんな事言われても・・・」と反発する可能性がかなり高いと思います。

そのような理由から、新人スタッフに「当院で働くにあたって大切なこと」という入社オリエンテーションを、入社してからそこまで日にちが経っていないうちに実施する事をお勧めします。この入社オリエンテーションでは、

・医院理念
・当院の身だしなみ基準
・「メモを取る」「先輩よりも早く現場に来る」など、新人に対して求められる姿勢
・試用期間終了までの給与について
・試用期間中のカリキュラム
・試用期間中に実施するテスト

などについて伝えると良いかと思います。

全ての人が患者になり得るという意識

患者を増やすと言っても、簡単に実現出来る訳ではありません。

クリニック経営に関するセミナーには「〇ヶ月でたちまち新患数が昨対比〇%増が実現!」などの見出しが躍る事もありますが、そこまで短期間に数字が上がるなら、殆どのクリニックは経営に困らないと思います。

考えうる限りの取組みを、最大限の力で長期間取り組んだ結果として、数字が上がっていく。

これが三桁を超えるクリニック経営のアドバイスをさせて頂いた私の現在の結論です。

例えば今回ご紹介する取組みも、そんな内容のひとつです。
7月目標.jpg
この眼科クライアントでは毎月医院の目標を設定しています。

ちなみに写真は2013年7月の目標ですが、取引業者まで大切に関わろうとしている姿勢が伝わってきます。

このクリニックはそれを狙いにしている訳ではありませんが、業者は様々なクリニックを見ています。

必然的に業者の方ご本人はもちろん、ご家族や友人に「どこか良い眼科(など)クリニックは無い?」と聞かれる事も多いと思います。

そういう時、それまで自分に良く接してくれているクリニックを紹介したいと思うのは、自然な感情ではないでしょうか。

このように「当院に関わる全ての方を大切にしよう」という姿勢が、結果的に良い口コミを生み出し、増患に繋がってくるのです。

院長のブランド=クリニックのブランド

クリニックにおける最大の商品は院長です。誇張はNGですが、如何に院長のキャリアや実績を患者に分かりやすく伝えられるかは、ブランド構築において大切なポイントです。

まず出来る事として、ホームページに使う院長写真は、ぜひプロのカメラマンに撮ってもらう事をオススメします。やはり「餅は餅屋」です。
アマチュアがデジカメで撮った写真と、プロがそれなりのカメラを使って撮影した写真では、質が全く違います。

顔写真のポイントとしては、何と言っても笑顔であるという事です。

ただでさえ、医療機関は行きたい場所ではありません。それに加えてホームページを見た際、院長の写真が暗かったり、マスクをしたままの写真では、更に患者の気持ちは遠のきます。

そこに白い歯を見せ、口角が上がった院長の笑顔の写真が掲載されている事で「この先生は優しそうだから、この医院に行ってみるかー」という気持ちになるのです。

離職率が下がった事で業績が上がった耳鼻科の例

クリニックの業績とスタッフの離職率には相関関係があります。

スタッフの離職率が低いクリニックは業績が上がりやすいです。換言すれば離職率が高いクリニックは業績が伸び悩むという事です。

なぜ離職率が高いと、業績が伸び悩むのでしょうか?

現代はもはや「開業すれば、黙っていても患者が集まる」という時代ではありません。患者がクリニックを選ぶ時代です。

だからこそ既存患者が紹介してくれたり、継続して来院してくれるクリニック作りが必要であり、そのためには診療だけしているクリニックではなく、診療以外に様々な取組みに力を入れる事が大切なのです。

では、試用期間過ぎて間もない新人が中心のクリニックで、診療以外の取組みに力を入れる事が出来るのでしょうか?

答えはNOです。

新人は日々の診療業務をこなすのに精いっぱいで、なかなか診療以外の業務に力を入れる事が出来ないのです。

耳鼻科のクライアントは、コンサルティング前は離職率が決して低くはありませんでしたが、院長先生の頑張りにスタッフが応えるような形になり、次第に離職率が下がり、順調に業績が右肩上がりを記録しているそうです。

スタッフが持つ2種類の財布

スタッフは「2種類の財布」を持っています。
ひとつは「物理的財布」です。これは給与の事を指します。

平均を大きく下回る給与だったり、本来発生すべき残業代がついてなかったりすると、スタッフはモチベーションが下がります。よって、お金はモチベーションになります。

では、高い給与であればそれでスタッフが満足するかと言うと、決してそんな事はありません。なぜならスタッフはもうひとつの財布である「心理的財布」を持っているからです。

心理的財布とは「私はここに居て良いんだ」「私はこの職場に必要とされているんだ」という感情が湧いて来れば来るほど、次第に貯まっていきます。

その感情を起こす事が出来る簡単な方法が「ありがとう運動」の実施です。

「スタッフにありがとうと言いましょう」などと、とても当たり前の事が書かれているようですが、院長の想像以上に、院長はスタッフに感謝の気持ちを伝えていませんし、スタッフは院長からの感謝の気持ちを欲しています。

今日、院長先生はスタッフに何回「ありがとう」を伝えましたか?

物理的財布と心理的財布、どちらが欠けてもスタッフのモチベーションは上がる事はありません。どちらも満たしてあげる事が大切なのです。

良い人材からの応募が増えた眼科クリニックの例

良い人材を雇用するために欠かせないのがホームページです。

ホームページの「求人情報」というコンテンツの中に「医院理念」「当院で学べること」「当院で働く事でどんな事が身に付くか」などを織り込む事が大切です。

この他に「求人情報」に欠かせないのが「当院で働いているスタッフの声」です。

愛知県の眼科クライアントは、当初あらゆる情報を盛り込んだ求人情報のページはあったのですが、この「当院で働いているスタッフの声」がありませんでした。

約半年位前に、求人情報のページにスタッフの声を追加したところ、応募数が増えただけでなく、とても質の高い人材からの応募が増えたのです。

やはり既に働いている先輩スタッフのリアルな感想というのは、応募者に響くものだと再確認した事例でした。

クリニック成功事例集が出来ました!

クリニック、診療所の経営コンサルティングを実施しています、
内科 眼科 耳鼻科などの医科クリニックの経営コンサルタント 根本和馬です。
ホームページは作って終わりではなく、作った後
更に成果を出すために更新を繰り返していく必要があります。
特に今はグーグルは「ユーザーにとって有益なページかどうか?」を
重要視しているため、作って終わりという姿勢では、どんどん順位が
下げられていくのは明白です。
医療業界においても、次第に「サービス」や「患者満足度」などの
考え方が浸透してきましたが、HPについても「患者にとって有益な
情報が記載されているか?」という視点で見る必要が出てきました。
それが結果的にSEO対策となり、上位表示され、
増患や良い人材の雇用へと繋がっていくという事です。
HP.JPG
医経統合実践会のHPもこの度、新しいコンテンツを作りました。
その名も「医経統合が実現しているクリニックの成功事例集」です。
トップページから、少しスクロールして頂いたら、
すぐに見つかります。
・スタッフ採用
・スタッフ教育
・スタッフのモチベーションアップ
・患者数を増やす方法
・クリニックのブランド力を上げるには?
・診療のスピードを上げるには?
これらの項目で、院長先生、スタッフ様に少しでもお役にたつ
情報をお伝えしたいと思います。
定期的に更新していきますので、ぜひこれからも
小まめにチェックしてみて下さい!
こちらの内容が学びや気付きになりましたら、ぜひ「いいね!」をクリックして下さい!
よろしくお願い致します。
WS000410.JPG
新人に仕事に対する姿勢を伝えるなら、この一冊で十分!
確認テスト問題&解答付きなので、単なる読み物で終わらせない、
プロ医療従事者必読の教科書。
『プロの医療従事者になるためのマナーと心構えについて』のお申込みはこちらです!


—————————————————————————
フェイスブックのアカウントをお持ちの方は、ぜひお友達になりましょう!
リクエストお待ちしております!
根本和馬の個人ページはこちらです!


最新の情報は医経統合実践会フェイスブックページで投稿中です!
よろしければ、下記アドレスからご覧下さい。
医経統合実践会のフェイスブックページはこちらです!

保育士、栄養士、臨床検査技師などを採用する際の注意点

一日を通して資格を生かした専門的な仕事ばかりであれば良いですが、現実的には受付や看護助手的な業務も兼務する方が、クリニックで働く専門職の場合、一般的であると思います。

しかし基本的に専門職は、その資格を生かした仕事をしたい、または、このクリニックであればそういう仕事ばかりが出来るんじゃないかと思っている方が大変多いです。ここでクリニック側と応募者とで、業務内容に関するギャップが生じます。

「クリニックは少数のスタッフで構成されている組織ですので、専門的な仕事ばかりではなく、電話に出たり、お会計をしたり、診察の介助をしたりなどの業務も多いですが、それでも良いですか?」という事を面接時にしっかりと伝える事が、ギャップを生みにくくするポイントです。

お申込み受付中

医経統合実践塾

ご相談はこちらから

045-548-4106

  1. ライン